雛人形 飾り方

雛人形を飾り付けるときに、いつも悩んでしまっています。

「あれ?お内裏様の向きって向かって右?左?どちらに並べればいいの?」

京都のお内裏様は関東のお雛様とは最上段の並べ方が左右違うということを知っていましたか?
7段飾りの場合、関西と関東では最上段以外のお人形とお道具の並び方にも違いがあるのでしょうか?

今回は、京都風と関東のお雛様の飾り方をまとめました。

このページの「目次」はここです!




雛人形の飾り方、お内裏様は京都風と関東では左右どちらに並べる?

雛壇の最上段には、男雛と女雛が飾られ並べられます。

その時に、地域によって男雛を左右どちらに置くかが変わってきます。

代表的なものに京都風と関東飾りがあり、左右の並び方が逆になります。

お内裏様の雛壇飾り方、京都風では男雛は向かって右!

雛人形 京都

京都は公家の装いで飾る

普段見慣れているお雛様は、男雛様は向かって右に並べられている場合が多いと思います。
これは、関東でのお雛様の並べ方なんです。
京都では男雛様が向かって左に並べられるという理由は諸説あります。

  • 御所における天子の玉座の位置は左だから。
  • 日本古来の左は右よりも格が高い「左上座」という考えに倣っている。
    ※「左上座」とは男雛側に立ってみて左であり、男雛に向かってみると右になります。

雛壇の飾り方、関東では男雛様は向かって左!

雛人形 関東

関東は武家の装いで飾る

日本古来の「左上座」の考え方があるのなら、関東のお内裏様の男雛はなぜ向かって左に並べられているのでしょうか?

  • 武家中心の関東では「右上位」という考えで、身分や等級によって座る順番の決まりがあり取り入れられた。
  • 大正天皇が西洋スタイルのご即位に倣って、皇后陛下の右に立たれた。
  • 文明開化以降、西洋文化が日本に入ってきたことが影響している。
    ※「右上座」とは男雛側に立ってみて右であり、男雛に向かってみると左になります。

京都や関西地方では、昔ながらの「向かって右」が男雛で、関東地方では新しい「向かって左」が男雛になった理由は諸説あり、詳しい理由というのはわかっていないというのが現状です。

震災や戦争によって資料や文献が消失してしまっているからです。
研究者によって今も明確な答えを模索している状況です。

男雛と女雛の飾り方の豆知識

  • 昭和天皇の即位式で、新聞紙上に初めて天皇と皇后の写真が載りました。
    その際にお二人がお写りになった位置をもって、関東の雛人形では右(向かって左側)が男雛、左が女雛と決めたそうです。
    しかしそれ以前にも関東飾りは実在した模様ですので、確かな定説とはいえません。
    なお男雛と女雛の並べ方以外には京都や関東での飾り方の相違はありません。

雛人形の飾り方で一段目のポイントは

雛人形 飾り方 1段

男雛と女雛の後ろに「金屏風」を立てて「親王台(しんのうだい)」にのせて、地域の風習に合わせて男雛と女雛を並べていきます。

男雛の「冠(かんむり)」は頭からずれることなく「纓(えい)」をまっすぐに立てて飾ります。
また男雛の右手には「笏(しゃく)」を持たせて「太刀(たち)」は左の腰の袖にさします。

女雛の「桧扇(ひおうぎ)」は開いて両手に持たせてください。もし袖に隠れているなら袖の内側にはさむとよいでしょう。

男雛と女雛の両脇に「ぼんぼり」を立て、二人の中間か前に「三方」に「瓶子(へいし)」をのせ飾ります。






雛人形の飾り方、7段飾りの並べ方は?三人官女・五人囃子・右大臣 左大臣を飾る

お内裏様とお姫様の並び方はわかりましたね!
では、他のお人形はどのように並べたらいいのでしょうか?

三人官女は?
五人囃子は?
右大臣、左大臣は?
などの飾り方についてもまとめました。

ここからは京都風や関東の飾り方の区別はないのでご注意ください。

三人官女の飾り方は?

雛人形 飾り方 三人官女

7段飾りの二段目には三人官女を飾ります。

向かって左から、「加銚子、島台、長柄銚子」のお道具を持つような並び方で三人官女を飾ります。

両側の三人官女は、それぞれ外側に足が少し前に出ているので、それを目安に並べるとわかりやすいですね。

五人囃子の飾り方は?

雛人形 飾り方 五人囃子

7段飾りの三段目には五人囃子を飾ります。

向かって左から、「太鼓、大皮鼓、小鼓、笛、扇」の楽器を持つような並びで五人囃子を飾ります。
向かって一番右のお人形は楽器ではありませんね。

このお人形は、「謡い手」さんなので楽器を持たずに扇を持っているのです。

左に行くほど音の大きな楽器を持っている、と覚えておくといいですね!

右大臣、左大臣の飾り方は?

雛人形 飾り方 左右大臣

7段飾りの四段目には右大臣、左大臣を飾ります。

向かって右側に左大臣、向かって左側に右大臣という風に並べます。

左大臣はおじいさん、右大臣は若者なので飾るときの目安にしてください。

仕丁の飾り方は?

雛人形 飾り方 三人上戸

7段飾りの五段目には、仕丁(しちょう)を飾ります。
衛士又は三人上戸とも呼ばれています。

向かって左から、「台笠、沓台、立傘」の順番で飾ります。

左側から、「怒り上戸(熊手を持つ)・泣き上戸(ちり取りを持つ)・笑い上戸(ほうきを持つ)」で並べる、と覚えておくといいでしょう。






雛人形、お道具の飾り方は?

雛人形の並べ方はわかりましたか?

次に、お道具の飾り方についてまとめていきます。
お道具はたくさんあるので、迷ってしまいがちですが、正しく飾りましょう!

雛壇7段飾りでのお道具の飾り方

最上段のお道具の飾り方

雛人形 飾り方
  • お内裏様とお姫様の後ろに金屏風を立てる。
  • 二人の間に、桃の花を挿した三方飾りを置く。
  • 両脇にぼんぼりを置く。

二段目のお道具の飾り方

  • お人形の間に高坏を置く。
  • 桜餅、草餅などの季節の和菓子を供える。

三段目のお道具の飾り方

  • 五人囃子のみを飾る。

四段目のお道具の飾り方

  • 白酒を右大臣左大臣の間に、菱餅を両端に供える。

五段目のお道具の飾り方

  • 向かって左に橘の木、右に桜の木を置く。

六段目、七段目のお道具の飾り方

雛人形 道具 6・7段
  • 六段目と七段目には飾り方にはっきりとした決まりはないようです。
  • 六段目にたんす、鋏箱、長持、鏡台、お化粧道具、針箱、火鉢、茶の湯道具といった小さい物。
  • 七段目に御駕籠、重箱、御所車といった大きなものを置くと見た目の調和がとれます。

作者の名前を記した木札は、雛人形のブランドであり看板です。

飾る場所は決まっていませんが目立ち過ぎず、かといって後ろ過ぎずバランスを見て自由に置きましょう。

お内裏様とおひな様以外に、京都と関東ではお雛様の飾り方に違いがないというのも分かりましたね!

まとめ

いかがでしたか?
雛人形の飾り方が京都と関東では違うということが分かりましたね!

京都には島津という有名な雛人形もあり、日本古来の伝統を守ったお雛様もあります。

お雛様の作者によっても並べ方が違う場合もありますので、購入したお店に正しい並べ方を聞いているのもいいですね!




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